アサヒグループホールディングス(GHD)は3日、システム障害の原因がランサムウエア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃だったと発表した。復旧の見通しについては立っていないとした。影響は国内の商品の受発注や出荷、生産に広がっており、全面的な復旧は長期化する可能性がある。
サイバー攻撃を受け、顧客や取引先の個人情報を含む重要データの保護を優先し、障害が発生したシステムの遮断措置を講じたとした。社内調査では情報漏洩の可能性を示す痕跡が確認された。漏洩の可能性のあった内容や範囲については調査中としている。アサヒGHDは外部の専門家と連携し、被害の全容解明と再発防止策の検討を進める方針だ。
6日以降めどに、酒、飲料、食品の消費者からの相談やクレームなどは電話で受け付ける体制を整えるとしている。勝木敦志社長は「多くの関係先の皆さまにご迷惑をおかけした」と謝罪。その上で「一刻も早い復旧に向けて全力を尽くすとともに、商品供給を最優先として代替手段による対応を進めていく」とコメントした。
アサヒGHDは9月29日午前7時ごろ、サイバー攻撃を受けシステム障害が発生したことを確認し、同日に捜査当局に報告した。飲料や食品の受注、出荷ができないことから主要工場では生産を停止しているほか、コールセンターの業務も実施できない状態が続いている。
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