
電子書籍を中心にライトノベルや漫画を出版するオーバーラップホールディングス(HD)が3日、東証グロースに上場した。初値は公開価格(1650円)を117円(7%)下回る1533円を付け、終値は1345円だった。同日、東京証券取引所で記者会見した永田勝治社長は「成功した作品を小説から漫画化、アニメ化と市場規模の大きいメディアへステップアップさせ、効率よくヒットIP(知的財産)を創出していく」と話した。主なやり取りは以下の通り。
――初値の受け止めは。
「投資家の皆さんの期待に応えられるよう、今後も頑張りたい」
――海外事業は、作品の翻訳・出版権を各国・地域の出版社に販売し、ライセンス料を受け取る形で伸ばしてきました。今後はどう成長させていきますか。
「2024年8月期の売上収益に占める海外事業は6%だ。海外での売り上げは北米が最も多く、次いでアジア、欧州となっている。今後は未展開の国・地域も開拓したい」
「海外市場では、日本の漫画や小説はまだ紙で読まれる場合が多く、電子書籍はあまり普及していない。今後、海外でも電子書籍で読む市場が広がれば、自社で作品を翻訳し、海外の電子漫画サイトに直接配信する可能性も模索していきたい」
――国内における電子漫画の市場をどう見ていますか。
「電子漫画の市場は非常に高い推移で伸びてきた。昨今は少しなだらかな伸びになっているが、引き続き成長基調と見ている。国内の電子漫画の市場で弊社の占めるシェアは小さいが、今後も市場の成長を上回る業績の成長率を実現したい」
――手がける作品のジャンルをどう広げますか。
「創業時は20〜30代の男性に向けたコンテンツからスタートした。その後、女性向けや40〜50代向けに広げた。現在では、男性・女性向けの作品がほぼ半々になった。市場の求めに対応してターゲットやジャンルを拡大していく」
「制作するリスクの低い小説や漫画から始め、成功した作品をアニメなど市場規模の大きいメディアに展開しているのが強みだ。小説と漫画以外にも、インディーゲームのように低リスクなメディアから多様な作品を生み出すことに挑戦したい」
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