自社と他社の商品・資材を一緒のトラックで運ぶ共同配送が広がっています。効率化でコスト削減が見込めるメリットは何十年も前から指摘されてきましたが、近年動きが急なのは、運転手不足とガソリン・軽油価格の高止まりによる物流費の高騰が深刻さを増しているためです。最新の取り組みがわかる関連記事を集めました。(内容や肩書などは掲載当時のものです)

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自前主義にサヨナラ

物流危機は日本の構造問題。同じ業界内のライバル企業同士でも配送では手を取り合うことが当たり前になりつつあります。別業界の企業の連携は、扱う商品のサイズや重量の違い、温度管理の必要性の有無などの課題があり、従来は難しいとされてきました。こちらは効率的な梱包や積み込み方法を自動的に算出するといったシステムの高度化で解決しようという取り組みが広がっています。

  • ・日清食品の深井常務、ムダな物流減少へ「供給網全体で在庫情報共有」
  • ・味の素やハウス食品、北海道の共同配送でトラックと鉄道組み合わせ
  • ・アダストリアなど4社、共同配送で実験 海外生産地から
  • ・ブルボンと岩塚製菓、連結トラック共同配送の本運行を開始

配送ルートの最適解探す

複数企業の工場・倉庫をどういう順番で回れば効率的か。配送ルートの決定は共同配送の枠組みに参加する企業数が多くなるほど難しくなります。まずは試験的に取り組んで最適解を探すという手間が必要です。カギになりそうなのが人工知能(AI)の浸透で、問題が一気に解決するのではないかという期待が高まっています。

  • ・ヤマトHD、中小5000社と共同輸送網 大手主導で地方の「穴」埋める
  • ・住友林業、住宅資材の共同配送を本格開始 首都圏と関西で
  • ・月桂冠と鈴与、25年末にも自動運転 T2と関西から関東へ物流実証
  • ・西武・オリックスが共同倉庫 ホテル向け配送「38台→1台」

トラックだけではなく、鉄道や航空機、船といった他の輸送手段との組み合わせも注目です。

  • ・武田薬品、帆船で医薬品輸送 脱炭素推進で欧米間
  • ・フジドリームエアラインズ、航空貨物に参入 地方独自路線生かす
  • ・DOWA系と日本製紙が連携、鉄道専用コンテナ導入で輸送能力3倍に
  • ・化学品を鉄道で共同輸送 東ソー・三井化学・三菱ケミカルが実証実験
BUSINESS DAILY by NIKKEI

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