
コンサルタント業界への転職支援を手掛けるムービン・ストラテジック・キャリアが6日、東証グロース市場に上場した。初値は公開価格(2080円)を20%上回る2502円で、終値は2520円だった。神川貴実彦社長は「プロ人材が育つキャリアプラットフォームになる」と語った。主なやりとりは以下の通り。
――初値への受け止めは。
「(初値は)気にしていない。さらに売り上げを伸ばすことしか考えていない」
――人材紹介では老舗企業です。いま上場した狙いを教えてください。
「人材紹介は資本力がそこまでいらず、上場する必要がない商売だと思っていた。しかし、競合のなかで勝ち続けるためには体制を強化する必要がある。人工知能(AI)が(人材サービス)市場に与える影響も大きいとみており、当社でも求職者の集客や、求人と求職者のマッチングにAIを積極的に活用していく」
――コンサル業界の中途採用市場の成長性をどうみていますか。
「コンサル業界に人を送り込むために事業を営んでいない。(コンサル業界が)おいしい市場だからだ。売上高のうちコンサル業界が占める割合は6〜7割で、あとは製造や金融の企業が占める」
「顧客企業の(採用意欲の)波に合わせていると、顧客が採用を絞ったときに当社の業績にも影響が出る。2023年後半から得意先を持たないという営業戦略に切り替えた。人を採らない会社には(求職者を)入れようがない。採ってくれる会社を支援したい」
――将来ありたい会社の姿は。
「転職のタイミングだけを支援するのではなく、30〜40年にわたるキャリア全体のお世話をしたい。20〜30代の就業者人口が急激に減るなか、新規求職者の集客だけでの成長は現実的ではない。これまで接点を持った人のキャリアに何度もかかわって、プロフェッショナル人材やリーダー人材が育つプラットフォームになりたい」
「1度転職を支援した人は、2回目の転職時は意外にも相談してくれない。転職に慣れたり、ヘッドハンターから声がかかったりするからだ。過去に転職を支援した人材に対して、経歴をもとに絶えず情報発信している。そうすると一定の割合で当社を利用した転職活動をする人が出てくる」
――競合に比べ営業利益率が高いです。コストコントロールの考え方は。
「利益はコントロールしていない。結果としてこうなっている。外部のスカウト会社に求職者の紹介手数料として20〜25%程度を払わずに、自社で求職者を集められていることが(高い)利益率の源泉だ」
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