
イオンは7日、直営農場で収穫した新米を首都圏で発売した。価格は1袋5キログラムで4298円。「こしひかり」「あきたこまち」「彩のきずな」「にじのきらめき」の4種類を東京都や埼玉県、千葉県、神奈川県のイオンや「イオンスタイル」47店舗で販売する。取扱量は約80トン。コメ価格が高止まりするなか、割安感を打ち出す。
イオンは意欲のある生産者に農地を貸す政府の「農地バンク」を活用し、2015年から子会社で農業法人のイオンアグリ創造(千葉市)が埼玉県羽生市の水田で稲作を始めた。これまで埼玉県内や電子商取引(EC)サイトでの販売にとどまっていたが、生産量を増やして1都3県に販売地域を広げた。
自動運転トラクターや水位を測るセンサーを活用し、通常の管理にあたる従業員を従来の4人程度から2人に減らすなど省人化を進めた。農薬や肥料など資材の高騰で価格を前年から5キログラムあたり80円程度引き上げたものの、集荷業者などを通さず自社の流通網を活用して中間コストを省いたことで価格を抑えた。
羽生市の自社農場の足元の作付面積は30ヘクタールで、30年に最大3倍に面積を広げる目標だ。埼玉県以外にも農場を設けることを検討する。
コメの店頭価格は4000円を超える水準で高止まりしている。農林水産省が3日発表した9月22〜28日時点のコメの平均店頭価格は、5キログラム4211円だった。新潟県産コシヒカリといった銘柄米の新米は4000円台後半から5000円台で販売されることも多い。
7日、東京都江東区の「イオンスタイル南砂」でイオン直営農場で収穫したコメを購入した江戸川区の58歳女性は「コメのブランドにこだわる余裕はなく、一番安いから購入した。4000円台後半はとてもじゃないけど買えない。せめて3500円前後くらいになってほしい」と話した。

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