コニカミノルタの技術で製造した再生プラスチックとその原材料

コニカミノルタは8日、再生プラスチックを生産するマレーシア企業のMJマテリアルテクノロジーと提携したと発表した。2026年春にMJマテリアルがマレーシアで新設する工場に、コニカミノルタの材料選別や人工知能(AI)技術を備えた生産ラインを設置する。高品質の再プラを電子機器メーカーなどに販売し、収益を分け合う。

MJマテリアルがクアラルンプールに新設する工場内に、コニカミノルタのグループ会社が持つ計測技術などを備えた生産ラインをつくる。材料になる廃プラスチックを細かく分別して性質を調べ、AIが示す材料を混ぜ合わせて再生プラの品質を高める。

まずは1ラインを導入し、26年は数千トンの量産を計画する。その後、ラインを増やして生産量を伸ばす。MJマテリアルが電子機器や家電メーカー向けに再生材料を販売し、コニカミノルタは収益の一部を技術供与に伴う対価としてMJマテリアルから受け取る。

再生プラに新品樹脂(バージン材)と同等の品質や性能を持たせる。再生プラは電子機器や家電メーカーなどが環境対応で広く利用するが、バージン材と比べて品質がばらついてしまうことが課題だった。

MJマテリアルとコニカミノルタは14年度から自社製品から出る廃プラの再生などで協業関係にある。

同日、オンラインで説明会を開いたMJマテリアルのウェン・ウェンビン社長は「早期に売上高で100億円を目指す」と説明した。まずは、アジアの電子機器メーカーをターゲットにし、中長期で欧州地域や自動車産業などに顧客を広げる。

コニカミノルタが主力とするオフィス事務機市場は成熟している。新規事業の育成による収益の多角化が必要だが、過去には「飛び地」に近い遺伝子診断などに挑み、多額の損失を計上してきた。自社のノウハウを活用できる再生材料の分野で成長をねらう。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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