
みずほフィナンシャルグループ(FG)は3連休中の11~12日に、銀行業務の基幹システムを更新する。作業中は現金自動受払機(ATM)など大半のサービスを一時休止する。みずほは2021年、システム障害で利用者の預金通帳やキャッシュカードがATMに取り込まれる事態を引き起こし、金融庁から業務改善命令を受けた。みずほは再発防止に全力を注ぐ。
みずほで入出金など銀行業務の中心を担う勘定系システム「MINORI(みのり)」が対象で、19年の全面稼働以来、初めての大規模更新となる。ハード機器の入れ替えや基本ソフトの更新、一部システムのクラウドサービス上への移行などを進める。

更新作業は、11日午後10時~12日午後1時に実施され、その間は、支店やコンビニなどに設置されている全てのATM▽インターネットバンキング「みずほダイレクト」▽スマートフォン決済アプリ「PayPay(ペイペイ)」へのチャージ――など、ほとんどのサービスが利用できなくなる。利用者には、事前に必要な預金の引き出しや送金を済ませておくよう呼び掛けている。
みずほは今回、更新作業中に不具合が起きた場合、作業を即座に中断してシステムを作業前の状態に戻すことにしている。通帳などが取り込まれないようATMの仕様を変更したのに加え、ATMに連絡用のスピーカーを設置して緊急時の駆けつけ体制も既に整備。みずほは「あらゆるリスクを想定して徹底した対応を講じる」と強調している。
みずほでは、第一勧業、富士、日本興業の旧3行が経営統合した直後の02年4月や、東日本大震災直後の11年3月に大規模なシステム障害が発生し、送金や預金の引き出しができなくなるなど大きな混乱を招いた。21年にも勘定系のシステム障害が頻発し、利用者に大きな影響が出た。【秋丸生帆】
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