東急田園都市線の梶が谷駅付近で行われた、衝突した車両の調査(6日、川崎市高津区)=共同

東急田園都市線梶が谷駅(川崎市高津区)で5日発生した列車同士の衝突・脱線事故について、東急電鉄は10日、事故原因となったとみられる信号システムの設定ミスが他の2駅の計3カ所でも見つかったと明らかにした。いずれも安全措置を講じた上で順次、信号設定の改修を進めているとしている。

新たにミスが見つかったのは東急田園都市線・大井町線の二子玉川駅(東京都世田谷区)の1カ所と、東急新横浜線の新横浜駅(横浜市)の2カ所。それぞれ2021年5月と23年3月から運用を始め、いずれも事故につながったケースはないとしている。

東急電鉄によると、梶が谷駅で発生した事故の原因は信号や線路を切り替える分岐器を制御する「連動装置」に関するシステムの設定ミス。進路上に別の列車を検知しても赤信号を表示せず、青信号を出す設定になっていた結果、ATC(自動列車制御装置)が正常に作動せず列車同士の衝突につながったとみられる。

事故後、同社は梶が谷駅と同じ連動装置を設置している計33駅の信号システムの点検に着手。設定ミスが見つかった駅では車両同士が一定の間隔を空けて運行するなどして対応し、23日までに信号プログラムの改修を終える。

事故は5日午後11時4分ごろ発生。中央林間発渋谷行き普通列車が同駅の上り線ホームに入ろうとした際、車庫に向かう引き込み線の途中で停止していた回送列車と衝突。回送列車の最後尾の車両が脱線した。普通列車の乗客149人と双方の運転士らにけがはなかった。同社は事故後、現場の本線に隣接する引き込み線の使用を停止している。

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