
宿泊事業や地方創生のスタートアップ、ARTH(アース、東京・中央)は11月1日、静岡県西伊豆地域で1泊約44万円の1棟貸しリゾートホテル「ウェザー西伊豆 廻-KAI-」を開業する。同社が開発した電気や水を自然エネルギーで完全自給する最新のオフグリッド設備を搭載し、環境負荷の少ない観光や暮らしの在り方を提案する。

9日に報道陣に概要を公開した。オフグリッド設備「ウェザー」は屋根の太陽光パネルや蓄電池で照明、空調などの電力を賄い、雨水を滅菌して生活用水に利用する仕組み。新型機にはシャワーの排水や空調の排熱を回収・再利用する熱循環システムを導入し、一般的な住宅の約3倍の省エネ性能を実現したという。
人工知能(AI)も活用し、過去の天候や宿泊者の電気や水の使用状況を解析して生産・消費量を予測することで枯渇を防ぐ。

建物は木造で日本家屋風のデザイン。延べ床面積は約150平方メートルで、1日1組(最大5人)のみを受け入れる。サウナや外気浴スペースを設置したほか、駿河湾を望むテラスには水盤を設け、中には畳敷きの座禅スペースも備える。

午前中から好きな時間にチェックインでき、チェックアウトは午後4時と長めに設定。アースの高野由之社長は「従来の宿泊施設とは異なり、長期滞在して土地ならではの自然を楽しむリゾート施設だ」と強調する。
料金はオールインクルーシブで、同社が伊豆市土肥地区で運営するレストランで食事を何度でも楽しめる。周辺の自社イチゴ農園の利用やサイクリングなどの体験も提供する。
【関連記事】
- ・静岡でまちづくり 新興ARTHなどの共同出資会社が私募債1億円
- ・新興のARTH、新型オフグリッド設備 静岡・西伊豆に高級ホテル

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。