気仙沼市立病院付属本吉医院の齊藤医院長(画面中央)は遠隔で患者を診察した(10日、宮城県気仙沼市)

仙台市は10日、宮城県気仙沼市でオンライン診療車の実証実験を始めた。仙台市外での実証は初めて。仙台市医師会や東北大学、NTT東日本などと協力し、遠隔で操作できる医療機器の改善をはかる。人口減少が進む県内に診療車を広げ、運用コスト低減を狙う。

気仙沼市立病院付属本吉医院(同市)から7キロメートルほど離れた大谷郵便局(同市)の駐車場に診療車を止め、患者の隣に看護師が座った。同医院で齊藤稔哲医院長が画面越しに患者を診察した。

米スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」でつないでおり、本吉医院と診療車との会話に遅延はほぼなかった。齊藤医院長は記者団に「その場にいるような診察ができる」と述べつつ「機器が大きいので診療車での診察は場所を選ぶ」と課題も挙げた。

診察に同席した仙台市医師会の安藤健二郎会長は「オンライン診療が信頼に足るものだと実証したい」と意気込んだ。高性能の機器開発には費用がかかるとも指摘し、今後は「コストをさげることが大事になってくる」と話した。

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