
村田製作所は14日に開幕したデジタル技術の見本市「CEATEC(シーテック)2025」で、自分の声だけを検出して入力できる「マスクボイスクリップ」を公開した。マスクにクリップ型のデバイスを付ける仕組み。マスクの振動を音声として検知し周囲の音を拾わないため、外出先などの幅広い場面での利用を想定する。人工知能(AI)の進化で音声入力が普及するとみて技術開発を進める。
マスクボイスクリップは、振動などを電気に変換する「圧電フィルムセンサ」を使っている。マスクの振動を検知するため、マスクを着用している人の声のみを入力できる。東京大学と共同開発した同製品は、シーテックで優れた製品や技術に贈られる「デジタル大臣賞」を受賞した。
村田製作所はAIの進化で端末と人間のやり取りが増えるなか、スマホの入力方法が画面へのタッチから音声に変わっていくとみる。従来の音声入力は空気の振動を検知するため、自分の声だけでなく周囲の音も拾う。騒音が邪魔になったり、特定の話者の声を検出できなかったりするという課題があった。
村田は五感に着目した技術開発を進めている。シーテック2025では、ほかに独自のセラミック技術を使った「ニオイセンサ」や体に密着させることで呼吸音などを高感度で検知できる「生体音響センサ」を公開した。
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