
NECは14日、人工知能(AI)が車のドライバーの運転技能やクセなどを解析して診断する技術を公開した。ドライブレコーダーの映像のほか、車の速度やブレーキ・アクセルの操作データなど複数の情報を基に解析して提示し安全運転につなげてもらう。2026年度中の提供開始を目指す。
千葉市で開催中のデジタル技術の見本市「CEATEC(シーテック)2025」で公開した。映像を認識するAIと生成AIを組み合わせた。運転診断後は、運転映像をいくつかのパートに区切って、「○」「△」といった評価を付ける。安全運転に向けた改善点などリポートとして自動でまとめる。
映像に合わせて加速・減速の状況をグラフで可視化するほか、法律の情報を基にしたアドバイスもできるようにした。

まずは商用車向けで展開することを想定している。従来、運輸・運送業などでは、安全管理者がドライブレコーダーの映像を確認し、ドライバーの運転を評価してきた。NECの技術を活用すれば、作業を効率化できるほか運転ミスの見逃しなども防げる。
NECはAIで映像を文章に要約する技術を23年に開発した。今回は映像だけではなく、運転速度やブレーキの操作データなど複数の情報を取り込めるようになった。またこれまでは主に、交通事故の映像を分析して損害保険金請求用の報告書に活用することを想定していた。安全運転の支援にも用途を広げて新たな需要を取り込む。
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