
松竹は15日、2026年2月期の連結最終損益が、従来予想を11億円上回る40億円の黒字(前期は6億6400万円の赤字)になる見通しだと発表した。黒字は2期ぶり。事業別では演劇事業の主力である歌舞伎公演が復調しており、6年ぶりの黒字化を見込む。映画配給や権利販売などの映像関連事業も好調に推移する。
取引時間中の同日午後2時に上方修正を発表し、午後の東京株式市場では松竹の株価は急伸した。一時、前日比1610円(13%)高の1万4060円まで上昇する場面があった。終値は前日比1540円(12%)高の1万3990円だった。
売上高は前期比16%増の970億円で、従来予想(13%増の950億円)を上回る。営業利益は2.6倍の43億円を見込む。従来予想は86%増の31億円だった。
歌舞伎などの演劇事業では、コロナ禍で減った団体客が完全には戻らず、5年連続で赤字が続いていた。今年から公演スケジュールの公表を前倒しし、宣伝の時間を長く確保するほか、顧客がスケジュールを把握しやすくした。
足元の歌舞伎人気もあり、小山卓上席執行役員は演劇事業のセグメント利益について「コロナ禍前の水準に戻ってきた」と手応えを示した。
同日発表した25年3〜8月期の連結決算の売上高は前年同期比25%増の496億円、最終損益は41億円の黒字(前年同期は6億8100万円の赤字)だった。3〜8月期の最終損益はすでに通期予想を上回っているが、例年映像関連事業が下期から落ち込むほか、不動産事業における修繕費などが膨らむことを踏まえたという。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。