九州の半導体産業に関する産官学会合に参加した九州経産局の星野光明局長(中央)ら(17日、福岡市)

九州の産官学で構成する「九州半導体人材育成等コンソーシアム」は17日、域内の半導体関連企業で共同配送を始めると発表した。2025年度中に実証実験を始め、26年4月から本格的な運用を目指す。半導体製品や製造に使う資材を保管する倉庫や配送トラックを複数の企業で共有し、コスト削減や事業継続計画(BCP)対応につなげる。

関係者によるとソニーグループが使う福岡県南部の物流施設を中核拠点として活用し、参加企業の製品や資材を集約する案を検討している。熊本や長崎、大分、鹿児島の中継拠点へ毎日定期便で荷物を運び、各地域を回るトラックに積み替えて半導体工場などへ届ける。将来は他の九州各県にも中継拠点や定期便を設けるよう検討する。

既に関心を示す企業が14社おり、そのうち5社が参加に同意した。コンソーシアムの事務局を務める「九州半導体・デジタルイノベーション協議会(SIIQ)」の会員企業約370社にも周知し、中堅・中小企業の利用を促したい考えだ。荷物の位置情報などを細かく把握し、災害時に配送が滞りにくいルートを選ぶ仕組みづくりも構想する。

17日開いたコンソーシアムの第7回会合では、九州の半導体関連企業のサイバー攻撃対策の必要性についても議論された。アサヒグループホールディングス(GHD)がサイバー攻撃により受注や出荷業務が停止した事例などを踏まえ、まずは対策セミナーの開催などを検討する。

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