旧JR九州本社ビル(左)とJR門司港駅=北九州市門司区で2025年5月8日午後1時42分、山下智恵撮影

 北九州市は、旧JR九州本社ビル(門司区)の売却に向けた公募型プロポーザルを開始した。最低売却価格は約9300万円でホテルなどでの活用を想定し、2026年3月に優先交渉権者を決める。

 ビルは地上6階地下1階(延べ床面積5635平方メートル)。1937年に三井物産門司支店として建てられた。国指定重要文化財のJR門司港駅のそばにある。01年までJR九州北九州本社として使用された後、歴史的価値が高いとして05年に市が取得。10年度に耐震補強工事が完了し、17年に文化庁の日本遺産に登録された。大正ロマン漂う街並みと関門海峡の景観を生かした「門司港レトロ」の構成要素の一つだ。

 門司港レトロ地区のにぎわいづくりを目的に、外観の維持を条件としている。解体は認めない。22日に事業者説明会を開き、26年1月末まで企画提案を受け付ける。公募は当初、6月から開始予定だったが、問い合わせへの対応などのため延期となっていた。

 このビルは19年度に香港の投資会社が100室規模の四つ星ホテルを開業する計画を提示したが、資金調達の見込みが立たないとして23年12月に撤退した経緯がある。【山下智恵】

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