
干し柿生産の百市農園(松江市、旧まる福農園)は、「発酵干し柿」の製造方法について、このほど特許を取得した。糖度が高く品質も均一になるうえ、自然風で乾燥させる一般的な製法に比べて製造期間も短くできる。特許取得により同製法を発信、生産者を増やして産地の維持発展につなげる。
干し柿は戦国時代の武将の保存食として発達した松江の特産物。百市農園は約1ヘクタールの農地で西条柿を栽培している。
農園代表の福岡博義氏が開発した製法で作った干し柿は、表面と内側の柔らかさが同一で、濃厚な甘みが特徴だ。千疋屋総本店(東京・中央)などでも取り扱いがあり、通常の干し柿の3倍程度の値段で取引されている。

百市農園は干し柿の製造方法と製造具について9月1日付で特許を取得した。屋内で1週間程度あら干しした後、乾燥部屋に移す。乾燥部屋は空調で温度管理し、高温などによる品質変化などの影響を受けにくい。
柿をつるした木枠を横に倒し、柿の破損防止用のネットと、ワラのむしろを組み合わせて段積みにする。柿がむしろの上に並んだ状態で積み重なる形になる。
ワラが柿の水分を吸収しつつ発酵を促し、乾燥と熟成が同時に進む。一般的な製法より1週間程度早い約25日で出荷できるという。今年分は11月下旬ごろから出荷を始める予定だ。
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