
【ニューヨーク=谷本克之】米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)は20日、米アルファベット傘下のWaymo(ウェイモ)の自動運転車約2000台に対する予備的な調査を始めたと発表した。同社の自動運転車がスクールバスに接近した際に停止しなかった事例があったことを問題視した。
NHTSAは車の安全性を監督する官庁。9月に起きた事例を受けて調査を始めた。17日付の報告書によると、ウェイモの自動運転車はスクールバスが子供たちが乗降する際に出す停止サインを出していたにも関わらず、停止しなかったとしている。
米国では多くの州でスクールバスの安全性を手厚く守る法律があり、停止サインを出している時に追い抜くなど違反した車には罰則が科される。
関与した車両にはウェイモの第5世代の自動運転システムが搭載されており、事故当時は人間の安全オペレーターなしで運転していた。
NHTSAは他にも同様の事象が発生する可能性が高いとみて、同社の自動運転システムがスクールバス周辺で交通安全法に従うように設計されているかなどを調査する。ウェイモの広報担当者は20日、「機能向上のために既にいくつかのソフトウエアの更新をしている」とし「NHTSAの調査に協力していく」とコメントした。
ウェイモは米西部カリフォルニア州サンフランシスコや南部テキサス州オースティンなど米国主要都市で1500台以上の自動運転タクシーを運行している。2026年には英国ロンドン市内で一般向けのサービスを始める予定だ。
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