
東京ガスは21日、グループ内の費用削減策を共有する発表会を東京都港区の本社で開いた。都市ガス製造部門や導管部門などの担当者が費用削減につながった好事例を計4件報告した。東ガスグループはこれまで業務効率化により年平均10億円規模を削減してきた。2029年3月期までに約2倍の20億円規模の削減を目指す。
「VE(バリューエンジニアリング)事例発表会」にはオンラインを含めて約900人が参加した。VEは必要な機能を最小限の費用で担保するために、業務の流れを見直す活動などを指す。今回は液化天然ガス(LNG)基地のさび止め塗装の効率化や、施工計画書の簡略化などに関する事例が報告された。
東ガスグループは18年3月期のガス小売り全面自由化をきっかけに、19年3月期からVEに取り組んできた。特に導管部門のセグメント損益は24年3月期に39億円、25年3月期に31億円の赤字となっており、費用削減の深掘りが急務となっている。
事例発表会は今回で6回目の開催となった。東ガスの辻英人・常務執行役員は「最初は仕様を見直すことによる安全・品質面の懸念から改革がなかなか進まなかったが、徐々に(価値とコストの両立を図る)VEのコンセプトが浸透して、費用削減策の件数が増えてきた」と手応えを話した。
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