
台湾電子部品大手の国巨(ヤゲオ)による、温度センサー大手の芝浦電子へのTOB(株式公開買い付け)が成立した。21日、都内でヤゲオの陳泰銘・董事長(会長)、芝浦電子の葛西晃社長が記者会見を開いた。主な一問一答は次の通り。
――なぜ芝浦電子にTOBをしたのですか。
ヤゲオの陳泰銘氏「芝浦電子は長期的に市場で低い評価になっていた。こんな素晴らしいチームがあるということを知り、提案をした。従業員と突っ込んだコミュニケーションをし、真摯に理解を得られたと考えている」
――両社のシナジー(相乗効果)をどのように出していきますか。
陳氏「芝浦電子に対して3つの『拡充』を行う。1つ目は同社のハイエンドの技術・製品の拡充、2つ目は販売規模、3つ目は生産能力だ」
芝浦電子の葛西氏「財務や技術、IT(情報技術)などジャンル別にミーティングを始めている。ヤゲオが持つ資産の共有を受けて、新製品の開発も進めたい」
――ヤゲオは今後も日本の電子部品企業を買収する考えはありますか。
陳氏「日本には技術が優れているが、世界的な顧客チャネルが不十分で単一製品に頼っている企業が多くある。ぜひいろいろな議論をしたい。みんなで連携し世界に出ていきたい」
――芝浦電子は、ホワイトナイト(友好的な買収者)として名乗りを上げたミネベアミツミよりも、ヤゲオの方がシナジーが出せるのですか。
葛西氏「ヤゲオとの相互補完性は大きい。ヤゲオは、芝浦電子が弱い欧米や中国に圧倒的に強い。日本では芝浦電子が一定のシェアがある。ミネベアが出てきたからこそ株主の価値を上げられた。感謝しないといけない」
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