使い終わった食用油をペットボトルに入れて回収する菊地さん㊨と日揮HDの西村氏(22日、東京都大田区)

日揮ホールディングス(HD)などは22日、東京都内で展開したSAF(再生航空燃料)の普及啓発プロジェクトについて報告会を羽田空港(東京都大田区)で開催した。家庭で使い終わった食用油を約8100リットル回収してSAFを製造し、同空港内で航空機に供給したことを紹介した。二酸化炭素(CO2)排出削減量は1万5000〜2万トン程度になる見込み。

日揮HDが事務局を務めるSAF普及啓発プロジェクトは271の企業、自治体、団体が参画する。東京都内では5月から同プロジェクトを本格化させ、都庁や市区町村の役所・役場など約80カ所に使用済み食用油の回収ボックスを設置している。

日揮HD、コスモ石油、廃油再生のレボインターナショナル(京都市)の3社は大阪府堺市にSAF製造設備を新設し、回収した使用済み食用油でSAFを製造している。羽田空港内では日本航空(JAL)や 全日本空輸(ANA)の定期便の航空燃料にSAFを一部使用しており、日本航空は従来の航空燃料に約1%混ぜて使っているという。

報告会には日揮HD、東京都、東京都東村山市、国土交通省、JALの担当者らに加え、タレントの菊地亜美さんも登壇した。日揮HDの西村勇毅・SAF事業グループ・グループリーダーは「使用済み食用油から作ったSAFを使えば、従来燃料と比べてCO2排出量を約80%減らせる」と強調。菊地さんは「家で出た油を再利用できると知らなかったが、飛行機の燃料として使えるのが分かったので、今後は回収してみようと思う」と話した。

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