東京証券取引所ビルの本館(写真中央奥の高層ビル)

平和不動産や鹿島などは23日、東京証券取引所ビル(東京・中央)に地震の揺れを抑える装置を取り付けたと発表した。高層ビルを大きく揺らす「長周期地震動」の揺れを抑制し、ビルの安全性や快適性を高めた。日本取引所グループ(JPX)など入居企業の事業継続性を高める。

平和不動産が保有する東証ビルは地上15階建てで、最も高いところの高さが78.8メートルの「本館」と上場セレモニーを開く「市場館」に分かれている。本館の屋上に地震の揺れを抑える装置「ディースカイエル」を設置した。

東京証券取引所ビル本館の屋上に設置した地震の揺れを抑える装置

ディースカイエルはおもりや積層ゴムで構成する。ビルが揺れると計800トンのおもりが反対方向に振れることで揺れ幅を抑える。東日本大震災の地震動を再現したシミュレーションでは揺れを半減させ、揺れを強く感じる時間も短縮。本館の耐震性能を最新の超高層ビル並みに高めた。

24年に発生した能登半島地震では、関東地方でも長周期地震動が観測された。東証ビル本館では、マーケットの監視業務に従事するスタッフなどJPXグループの社員が勤務する。大きな地震が発生しても市場機能を継続しやすくする。

地震対策の工事期間は2023年12月から25年9月まで。設計を三菱地所設計と鹿島が、工事を鹿島が手がけた。

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