ソフトバンクは23日、米シスコシステムズと光伝送技術で都市内の通信回線を高速化する取り組みを始めたと発表した。2027年までにソフトバンクの主要な回線を光伝送に対応させる。電気信号への変換なしに光のままで通信を行う技術を使い、従来の1割の電力消費で大容量の通信をできるようにして、人工知能(AI)の普及に備える。

ソフトバンクは23年10月に富士通の光伝送技術を使い、都市間を結ぶ長距離の基幹回線については光通信への対応を終えた。今後は都道府県単位など都市内での短距離の通信網にも取り入れ、携帯の基地局やAIサービスを遅延なく運用できるようにする。

まず9月に大阪府で展開を終えた。シスコが光電変換を行わず、光信号を増幅してやり取りできるようにする技術を提供する。ソフトバンクが持つ、異なる波長の光信号を1本のケーブルに乗せて同時に伝送する技術と組み合わせ、省電力で大容量の通信ができるようにした。

ソフトバンクは全てを光通信で完結させず、通信の中継役となるIPルーター同士を光通信で結ぶ方式をとる。IPルーターを経由させることで、通信の経路を柔軟に制御しやすくなる。

AIサービスの普及やデータセンターの増加に伴い、国内では通信の需要が増えている。環境負荷を抑えつつ、通信の高速化や大容量化を進めるため、通信の方法を電気信号から光に変える技術の採用が進んでいる。

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