
東京ガスは24日、米エネルギー会社グレンファーンなどが米アラスカ州で計画する液化天然ガス(LNG)事業からLNGの調達を検討すると発表した。年間調達量は100万トンを想定する。開発動向や価格など情報収集し、将来的な調達の可能性を検討する。
アラスカLNGは同州北部のガス田から産出された天然ガスをLNG基地にパイプラインで輸送し、液化した上で輸出する。LNG年間生産量は日本の総需要の約3割にあたる約2000万トン。2026年の最終投資決定を目指し、30年ごろから商業運転開始する予定だ。

東ガスはグレンファーンと法的拘束力のない関心表明書を新たに締結した。同事業を巡ってはかつての開発主体であるアラスカガスライン開発公社と関心表明書を17年に締結していたが、25年6月に失効していた。東ガスは25年3月時点でオーストラリアや米国などから約1100万トンのLNGを調達している。
アラスカLNGはトランプ米大統領が開発に意欲を示しており、日米関税交渉の交渉材料の一つにもなっていた。交渉合意を受けて日米両政府が9月に出した共同声明では「LNGに関するアラスカでのオフテイク(引き取り)契約を追求し、米国のエネルギーについて年間計70億ドル(約1兆円)規模の安定的かつ長期的な追加購入を実施」と明記された。
出荷地点がアジア地域に近いことから、LNGの安定調達につながる利点もある。グレンファーンは日本の発電事業者であるJERAや、韓ポスコ系総合商社などとも関心表明書を締結済みだ。プロジェクトの資金調達完了に向けて契約締結を予定している年間1600万トンのうち、計1100万トン分を確保したとしている。
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