塩野義製薬は27日、2026年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比10%増の1880億円になりそうだと発表した。従来予想から80億円上方修正した。販管費や研究開発費など計230億円削減する。下期に予定するM&A(合併・買収)による利益も上乗せされる。 

営業益は従来予想から100億円上方修正し、18%増の1850億円を見込む。コロナウイルスやインフルエンザといった、国内の感染症薬の販売が低調であることから売上高にあたる売上収益は300億円下方修正し、前期比14%増の5000億円となる見通し。

9月に完全子会社化した鳥居薬品の国内製品販売は好調で、売上収益は従来予想を82億円上回る412億円を見込む。

同日、同社グループの医薬品製造や品質管理を担う子会社のシオノギファーマを、27年4月をめどに塩野義本体へ再統合すると発表した。感染症薬などの急激な需要変動への対応を強化するほか、買収した日本たばこ産業(JT)の医薬品事業や鳥居薬品からの製品ラインアップ追加に備え生産効率化をはかる。

27日の決算会見に出席した手代木功社長は、「国内の工場も1つや2つ建設が必要だと思っている。そのときに全体で今後どの品目を自社生産していくか、外に出していくかの検討を始めたところだ」と話した。

同日発表した25年4〜9月期の売上収益は微減の2130億円、純利益は微増の835億円だった。抗菌薬の海外販売と抗エイズウイルス(HIV)薬のロイヤルティー収入が伸びたが、国内では夏のコロナウイルスの流行が前年より縮小したことから治療薬販売が伸び悩んだ。

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