
日本取引所グループ(JPX)は27日、ニデックについて内部管理体制の改善を求める特別注意銘柄に28日付で指定すると発表した。ニデックは不適切会計の疑いを第三者委員会で調査しており、9月に提出した2025年3月期の有価証券報告書を巡っては、監査法人のPwCジャパンが適正性について「意見不表明」としていた。
ニデックは同日、JPXの発表を受けて「第三者委員会の調査に全社を挙げて協力し、すみやかに改善に努めていく」とコメントした。特別注意銘柄に指定後、原則として1年後の審査までに内部管理体制などの改善見込みがないと判断される場合、上場廃止となる。
JPXはニデックが「過去の決算を訂正する恐れがある状態」にあり、「第三者委員会の調査の終了時期が不明なままで決算スケジュールがいつごろ正常な状態に回復するのかの見通しを示せていない」ことを指定の根拠にあげた。
さらに、第三者委員会の調査が完了していない現時点でも、全社的な内部統制に関わる不備が検出されており、財務報告に影響を及ぼす「開示すべき重要な不備に該当する」と会社側が判断している点も勘案した。
ニデックは9月3日、ニデック本体やグループ会社で不適切な会計処理の可能性のある事案が見つかったと発表した。第三者委員会を設置し、影響額や原因の調査を進めている。10月23日には、26年3月期の連結業績予想(国際会計基準)を未定にすると発表していた。
JPXは2007年に重大な上場規則違反をした企業を指定する「特設注意市場銘柄」(特注銘柄)を導入し、24年に特別注意銘柄に制度変更した。過去には、IHIが不正検査を発端に特設注意市場銘柄に指定されたほか、東芝も不正会計で指定された。
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