福岡県久留米市小森野2の「久留米中央病院」(61床)を運営していた医療法人「いたの会」(久留米市)が事業を停止し、福岡地裁久留米支部へ破産申請の準備に入ったことが30日、判明した。負債総額は約13億2485万円(2023年8月時点)。病院は9月末までに閉院した。
東京商工リサーチ福岡支社によると、1947年に久留米市梅満町に前身となる医院を開設。94年に「博治会」として法人化、99年に現在地に病院を新設した。
15年には当時院長だった板野哲氏が医療法人「博治会」を買収し、理事長兼院長に就任。16年に法人名を「いたの会」に変更した。板野氏の実績などを背景に肝臓がん専門病院として始め、近年は内科や消化器内科、リハビリテーション科を運営した。
しかし、業績は安定せず、新型コロナウイルス禍での受診控えなどにより、患者数が減少し、さらに低迷した。25年8月に板野氏が急逝後は入院患者らの転院を進めていた。
福岡支社によると、少なくとも15年8月には債務超過に陥り、17年8月~23年8月まで赤字が続いた。23年8月時点の債務超過額は、4億1716万円にのぼっていた。25年1~9月には県内の病院、クリニックの4件が倒産した。【田崎春菜】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。