空港アクセス鉄道整備で上下分離など4項目で合意した木村知事㊧と古宮社長(31日、熊本県庁)

熊本県とJR九州は31日、豊肥線を肥後大津駅から分岐して熊本空港までつなぐ「空港アクセス鉄道」の整備について4項目で合意したと発表した。上下分離方式を採用するほか、快速列車を導入する。豊肥線の原水駅の近くでは台湾積体電路製造(TSMC)の熊本第2工場建設が始まった。慢性的な渋滞の緩和へ鉄道の輸送力を強化する。

空港アクセス鉄道は県が主体となり設立する第三セクターが整備し、JR九州が豊肥線と一体的に運行する。2034年度の開業を目指す。

豊肥線には快速列車を導入し利便性を向上させる。列車の行き違いや同時進入を実現する設備の建設も視野に入れる。両者は沿線の活性化、豊肥線の将来の輸送力強化に取り組むことでも合意した。

熊本県は空港アクセス鉄道の事業費を610億円と試算している。JR九州が最大3分の1を負担する。両者は必要に応じて国に対して財政支援を要望していく。

熊本県の木村敬知事は「沿線には過去に類を見ない半導体関連企業の進出が続き、人流や物流が大きく増加している。JR九州と前向きな協議を経て大筋合意に至った」と述べた。

JR九州の古宮洋二社長は「まず運行ダイヤを作って、早期に空港アクセス鉄道整備のロードマップを作りたい」と話した。

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