アスクルへのサイバー攻撃に関与したと主張するハッカー集団が出した犯行声明=セキュリティー会社提供

 通販大手アスクルがサイバー攻撃を受けた問題で、ロシア系とみられるハッカー集団「ランサムハウス」がインターネットのダーク(闇)サイトに犯行声明を公開したことが31日、分かった。アスクルから1・1テラバイトにのぼる大量のデータを盗んだと主張しており、アスクル側も「情報流出を確認した」としている。

 アスクルは19日に身代金要求型ウイルス「ランサムウエア」によるサイバー攻撃を受けたと発表した。物流システムなどに障害が発生し、受注や出荷業務を停止した。29日から一部の法人顧客に限って試験的に手作業で出荷を始めている。

 セキュリティー専門家らによると、犯行声明は30日夜に出され、盗み出されたとみられるデータの一部も公開された。身代金要求の有無については判明していない。

ランサムウエアによるシステム障害を公表したアスクルのサイト=スクリーンショットより

 セキュリティー会社S&Jによると、ランサムハウスは2021年末から活動が確認されており、「各国の大企業に的を絞って攻撃するのが特徴的」(三輪信雄社長)という。

 これを受け、アスクルは31日、ランサムウエア攻撃による個人情報の流出を確認したと発表した。外部流出したのは、法人・個人向けの通販に関する顧客からの問い合わせ情報で、氏名やメールアドレス、電話番号などが含まれるという。同社の商品仕入れ先に関する情報も一部流出した。

 同社は「ほかにも情報が流出している可能性があり、調査を進める」としたうえで、「対象者や関係先にはおわびのご連絡を実施し、問い合わせに誠実に対応していく」とのコメントを出した。【成澤隼人、佐久間一輝】

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