 
      自民、立憲民主など与野党6党の税制実務者は31日、国会内で協議し、ガソリン税に上乗せされている暫定税率(1リットル当たり25・1円)を12月31日に廃止することで合意した。8月に野党が提出した暫定税率の廃止法案を修正し、臨時国会で成立させる方針。焦点となっていた税収減を穴埋めする代替財源は、法人税の租税特別措置や高所得者の負担の見直しを検討し、年末までに結論を得る。
協議には、日本維新の会、国民民主、公明、共産各党の実務者も参加した。6党の党内手続きを経て来週、正式合意する見通し。
この日の合意文書によると、11月13日からガソリンへの補助金を積み増し、12月11日に暫定税率と同額分へ引き上げる。軽油についても11月13日から補助金を積み増し、11月27日に軽油引取税の暫定税率(同17・1円)と同額となるようにする。軽油引取税の暫定税率は2026年4月1日に廃止。ガソリン、軽油とも暫定税率廃止とともに補助金は投入されなくなる。
レギュラーガソリンの小売価格を1リットル当たり170円とすると、暫定税率廃止によって15・1円安い155円程度になる。
暫定税率の廃止はガソリン税で年に約1兆円、軽油引取税で年に約5000億円の税収減になる。穴埋めに安易に国債を発行せず、税外収入などの一時財源を確保して対応する。一方、道路関連のインフラ保全のために安定財源を確保する具体策を検討し、今後1年程度をめどに結論を得る。
暫定税率の廃止を巡っては与野党6党の国対委員長が7月に「今年中のできるだけ早い時期に実施する」と合意したが、議論が停滞していた。
暫定税率は道路整備の財源が不足していた1974年に一時的な取り決めとして始まり、延長を繰り返して半世紀にわたって続いていた。【井口彩、野間口陽、鈴木悟、園部仁史、富美月】
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