東京電力ホールディングス(HD)は21日、福島第1原子力発電所の建屋内に残る放射線量が高い土のうの回収に向け、25日にも作業の妨げになっている障害物の除去を始めると発表した。遠隔操作ロボットを使い、1カ月程度かけて障害物を移動させる。廃炉作業の進展につなげる。


3月から原発敷地内の「高温焼却炉建屋(HTI)」で地下に残っている土のうの回収に向けた作業を始めた。落下した照明器具やパイプ、壊れたロッカーなどが散乱していることが分かり、回収作業は中断。障害物を取り除く方法を検討していた。
ロボットを使って障害物を除去し、土のうの回収作業の再開をめざす。東電は当初2027年度としていた回収作業の終了目標について「今後、全体の工程を精査する」(広報担当)と説明した。
11年の事故で大量の放射性物質を含んだ汚染水が発生し、東電はHTIなど2つの建屋の地下に汚染水をためた。このとき、放射性物質などを減らすために「ゼオライト」と呼ぶ吸着剤や活性炭をつめた土のうを投入した。建屋内に残っている土のうは計40トンを超える。放射線量が高いため、人が近づいて作業することが難しい。

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