
旭化成は4日、リチウムイオン電池向けの電解液技術をドイツの電池メーカーに供与するライセンス契約を結んだと発表した。旭化成は自社生産ではなく技術供与による収益モデルの構築を進めており、電解液技術でのライセンス契約は初めてとなる。
ライセンス契約を結んだのはドイツのEASバッテリーズ社で、旭化成が組成を設計した電解液を用いた「リン酸鉄リチウムイオン(LFP)」電池を2026年3月に販売する。旭化成が開発した電解液技術は、低温時にも高出力を維持でき高温への耐久性も高く、電池性能の向上につながるという。
EAS社はまず船舶や鉄道向けの用途を見込んでおり、同じ容量の従来の電池と比べて1.6倍の出力で充放電を繰り返しても電池性能が劣化しにくくなる。LFP電池は電気自動車(EV)での採用も増えており、今後は自動車や電池メーカーへのサブライセンス契約を通じ自動車分野での採用も目指す。
旭化成は技術や特許、ノウハウなど無形資産を使った事業展開を強化しており、ライセンス活用で30年ごろまでの累積で100億円以上の利益貢献を目指している。電解液技術の展開もその一環で、今後継続してライセンス収入が得られるように契約増加を目指す。
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