
「10段巻きソフトクリーム」で知られるマルカンビル大食堂を経営する上町家守舎(岩手県花巻市)は、レトロな箸立ての復刻を目指し資金調達を始めた。製造用の金型を造るため、クラウドファンディングで500万円を目標に12月29日まで寄付を募る。
昭和の雰囲気が残る大食堂で使っている円筒形のプラスチック製箸立ては経年劣化が激しい。割れたり、色がくすんでいたりするものが増えている。同社が大食堂の経営を引き継いだ2017年時点でメーカーは廃業し、金型も残っていなかった。
このほど製品設計のスワニー(長野県伊那市)の協力を取り付け、復刻プロジェクトが立ち上がった。同社は3D(3次元)データを駆使したものづくりを得意とする。
上町家守舎は「大食堂のテーブル数と同じ120個と返礼用の箸立ては最低でも作りたい」(事業推進室)という。調達資金に余裕があれば増産して外販も考えるが、資金が足りない場合の不足分は自前で捻出する。

同社の小友康広代表は「大食堂のシンボルとして箸立てを未来に残し、一般家庭や飲食店でも使われる商品にしたい」と意欲を示す。10段巻きソフトクリームは大食堂の名物で、割り箸で食べるのが流儀となっている。
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