半導体不足で減産する日産自動車の追浜工場(写真上部)

日産自動車は5日、オランダに本社を置く中国の半導体メーカー、ネクスペリアの出荷停止の影響を受けて、追浜工場(神奈川県横須賀市)と子会社の日産自動車九州(福岡県苅田町)の工場で減産すると明らかにした。それぞれ11月10日からの1週間で、数百台規模の小幅な減産を見込む。ホンダはメキシコで工場を停止しており、日本国内の生産にも影響が及び始めた。

17日以降の生産動向については「精査中」としている。ネクスペリア製の半導体を使う部品の調達が遅れていることを踏まえた措置で、2工場以外では現時点で減産していないという。

日産関係者によると、代替品の選定や通常の調達ルート以外からの調達などの対応を進めている。状況は流動的で、生産調整の影響が広がる可能性もある。

日産の経営再建を担うチーフ・パフォーマンス・オフィサーのギョーム・カルティエ氏は10月29日、ネクスペリア問題に関し「11月1週目までは世界生産に影響は出ない」としたうえで、「(半導体不足が)大規模な問題になる可能性はある」と述べていた。

ネクスペリアはオランダ政府が安全保障上の問題を理由に管理下に置くと決めた。中国政府が対抗措置に動き、中国の工場で生産するネクスペリアの製品に輸出規制をかけた。

ネクスペリアの半導体は自動車から家電まで幅広く使われるため、輸出規制で自動車生産などに影響が広がっている。同問題を巡っては、ホンダが10月28日にメキシコ工場を停止し、米国とカナダでも生産調整を実施した。

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