東京版権説明会でベトナムの出版担当者と商談する講談社の北岡森生氏㊧(5日、東京都文京区)

出版文化産業振興財団(JPIC)が主催する出版社向けの商談会「TOKYO RIGHTS MEETING(東京版権説明会)」が5日、東京ドームシティ(東京・文京)内の展示会場で始まった。出版108社が出展し、海外の出版社に書籍の翻訳権を販売するための商談に臨む。

前年より29社多い出版108社が出展し、世界25カ国・地域から来場する出版関係者に向けて自社刊行の書籍を紹介する。翻訳権を海外の出版社に販売し、現地での翻訳本出版につなげる。

出展する講談社は、東京版権説明会に合わせて来日する海外の数十社と商談を予定する。同社国際ライツ事業部の北岡森生氏は「児童書を含め、様々なジャンルの本を海外へ発信している」と話す。講談社のブースには日本の漫画の翻訳出版に関心があるというベトナム出版社の担当者などが訪れた。

東京版権説明会で講演する阪神コンテンツリンクの磯崎誠二氏(5日、東京都文京区)

6日までの会期中には出版関係者向けのセミナーも開かれる。

5日には米音楽チャート「ビルボード」の日本事業を手がける阪神コンテンツリンク(大阪市)が、6日から公開するブックチャートについて講演した。

阪神コンテンツリンクは国内の書店や電子商取引(EC)での売れ行き、図書館での貸出数のデータを基につくった書籍ランキングの一般公開を始める。同社の磯崎誠二上席部長は「図書館を含めて消費者が本をどう見ているかを反映している点で、これまで書店や(書籍卸の)取次が扱ってきたデータサービスとは違う。市場全体を把握できるチャートを提供していく」と説明した。

2017年に始まった東京版権説明会は6回目を迎えた。日本の出版各社にとっては、海外市場の開拓に向け新たな取引先を見つける機会になる。

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