日本橋の街並みに大名行列を合成したコンテンツ

ソニーグループは7日、東京都心を周遊するタクシーツアー「タイムトリップタクシー」事業を始める。後部座席のディスプレーに実際の街並みとデジタルコンテンツを合成した映像を流し、江戸時代にタイムスリップしたかのような体験を楽しめる。移動のエンターテインメント化につなげる。

大和自動車交通、クラブツーリズムと共同で開催する。浅草発の日本橋体験ツアーと、東京駅発の浅草体験ツアーを用意する。約30分間のツアー中に皇居に江戸城を重ねた映像や、日本橋を進む大名行列の映像などが楽しめる。

皇居に合成したデジタルの江戸城

5日、報道機関向けの試乗会を開いた。乗車するとワゴン型のタクシーの後部座席の前方に大型ディスプレーの「車窓」が設置されていた。フロントガラスから見えるリアルタイムの前方映像が4K画像で映し出される仕組みだ。

日英中韓から言語を選択するとツアーが始まる。デジタルコンテンツは全地球測位システム(GPS)情報をもとに合成する。停車中はコンテンツ放映を一時停止し、複数種類ある専用のコンテンツを表示して乗客を飽きさせない工夫を凝らした。

ツアーのみの料金は乗車人数にかかわらず5000円で、最大5人まで同時に利用できる。大和自動車によると一般的な東京駅―浅草間のタクシー利用料金は3000円ほどだ。観光客向けに切子グラスづくりなどの文化体験と組み合わせることもできる。

東京駅近くの丸ビルで乗車する

2024年に期間限定の実証実験が好評だったことからタクシーの台数を2台に増やし、1日8便程度を運行する。12月1日まで開催する。ソニーグループの担当者は「通年で楽しんでもらえる取り組みにしたい。12月2日以降も継続する方向で検討している」と説明する。利用が順調に進めば、運行台数を増やしルート追加も検討する。

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