記者会見するJR九州の古宮洋二社長(5日、福岡市)

JR九州は5日、2026年3月期の連結純利益が前期比5%増の460億円となりそうだと発表した。従来予想(17%増の511億円)を51億円下回る。博多駅の線路上に複合ビルを開発する「博多駅空中都市プロジェクト」を中止することに伴い87億円の特別損失を計上する。従来は8期ぶりの最高益を見込んでいた。

売上高にあたる営業収益は8%増の4891億円、営業利益は24%増の731億円の見通し。従来予想からそれぞれ58億円、55億円上振れする。大阪・関西万博や福岡県での大型イベントに伴う移動需要が想定を上回った。

同社は9月下旬、資材高や人件費の高騰により採算が見込めないとして、空中都市プロジェクトを中止すると発表した。古宮洋二社長は5日の決算記者会見で「先々の要素を見通した計画でないと結果として苦しくなる」と説明した。年間配当は前期比17円増の115円とする従来予想を据え置いた。

同日発表した25年4〜9月期の連結決算は純利益が前年同期比1%減の223億円だった。空中都市のプロジェクト撤退損失に加えて、8月に鹿児島県などを襲った豪雨災害に伴う引当金計上もあり、特別損失が16倍の111億円に膨らんだ。

営業収益は14%増の2376億円だった。4月に鉄道の普通運賃を平均15%値上げしたことで鉄道旅客運輸収入が伸びた。古宮社長はローカル線を念頭に「増収分を原資に持続可能なモビリティーサービスへ投資したい」と述べた。

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