塩野義製薬は5日、同社の新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」が、感染後にみられる後遺症の発症を抑える効果がみられたと発表した。後遺症として疲労感や息苦しさ、せき、味覚・嗅覚障害などが3か月以上続くことがある。今回、大規模な臨床研究を実施し、感染初期にゾコーバを服用した場合に後遺症の発症リスクの低減も確認できたという。
徳洲会グループが運営する51病院で、12歳以上の外来患者を対象に後遺症の発症に関わる臨床研究を実施した。ゾコーバを投与した1698人と、ソコーバ以外の治療薬も含めて何も投与しなかった5518人で後遺症の発症率を比較したところ、投与した場合は24%と投与なしの26%を下回った。
コロナ治療薬は価格の高さがネックとなり、医師の処方が広がっていない。エムスリーの調査によると10月の処方率は13.4%にとどまる。塩野義は今回の臨床データを生かして利用を促したい考えだ。
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