
リコーは5日、事務機のトナーの将来需要を精緻に予測する人工知能(AI)を11月から開発すると発表した。顧客に納入した事務機の台数や稼働状況のデータを分析し、工場でどれだけのトナーを生産すべきかを予測する。担当者の業務効率化や、在庫の適正化につなげる。
これまではトナーボトルの出荷実績を元に担当者が予測していた。景況感が悪化する局面ではトナーをつくり過ぎて在庫がたまるなど、予測精度に課題があった。現場の業務負担にもなっていた。
新たにAIに顧客に納めた事務機の台数や、顧客側でどれだけ紙が刷られているかといった稼働状況のデータを学習させ、予測の精度を高める。2025年度中に効果を検証する。
販売部門が生産部門に生産量を依頼する業務の効率化ツールも導入する。これまではメールやエクセルを用いて調整していたが、同一のプラットフォーム上でメッセージなどのやりとりができるようにする。販売部門と生産部門のやりとりは、AIの学習用データにする。
将来的には、販売部門と生産部門で生産量の調整がつかない際などに、AIが輸送方法の変更や、仕向け地の変更など、最適解を提案する仕組みも構築する。こうした取り組みを合わせ、2030年までに販売部門と生産部門の調整業務の工数を約3割減らすことを目指す。
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