オフィス向け事務機など幅広い製品の対米輸出コストが増加した

セイコーエプソンが5日発表した2025年4〜9月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比20%減の186億円だった。事前の市場予想平均(QUICKコンセンサス、191億円)を下回った。インドなど新興国通貨に対して前年同期より円高が進んだことや、米国の関税政策に伴うコスト増が利益を押し下げた。

売上高にあたる売上収益は1%減の6673億円、売上収益から売上原価と販管費を除いた事業利益は27%減の374億円だった。

インドルピーなど新興国の通貨に対して円高が進み、前年同期比で事業利益を68億円押し下げた。米関税コストは事業利益ベースで約50億円の押し下げ要因となった。オフィス向け事務機など幅広い製品の対米輸出コストが増加した。欧米でプロジェクターの教育向け需要が弱含み、販売数量が減ったことも響いた。

26年3月期の業績予想は売上収益を前期比1%増の1兆3700億円と、従来予想から300億円引き上げた。ドルやユーロに対する想定為替レートを円安方向に見直した。事業利益は16%減の750億円、純利益は26%減の410億円とする従来予想を据え置いた。

水上昌治・最高財務責任者(CFO)は同日の決算会見で「プロジェクターの販売数量が落ち、在庫が積み上がっていた。下期に他の製品も含めて適正化を図り、挽回していきたい」と強調した。

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