経済産業省から「ジェイスタートアップ」に選定されたことを受けて「DG TAKANO」がホームページ(HP)に掲載したコメント=同社HPより

 水不足問題の解決などを目指し、有望なベンチャー企業として国から支援を受ける「DG TAKANO」(東京都台東区)が、「ものづくり補助金」を不正に受給していたことが会計検査院の調査で判明した。

 検査院によると、ものづくり補助金は、中小企業の試作品やサービス開発に向けた設備投資の支援が目的。国費を原資に、独立行政法人の中小企業基盤整備機構が全国中小企業団体中央会を介して交付する。

 同社は2024年9月、洗剤を使わずに少量の水で汚れを落とせる食器の開発費用として、1404万6666円を交付された。だが、金額の算出根拠となる実績報告書を作成する際、金属製品製造に用いる金型について実際には納品されていないのに納品されたと記載したり、陶磁器用の石こう型などの製作費を過大に請求したりしていて、検査院は851万1110円を不正受給と認定した。

 同社は19年に経済産業省から「J―Startup(ジェイスタートアップ)」に選定された際、ホームページに「主要な育成支援プログラムで、毎年有望なベンチャー企業が選定され、政府機関によって優先的に支援される。海外市場を狙っているので、選定にワクワクしています」などとコメントを掲載。一方、検査院の指摘に関しては「十分な配慮をもって進めてきたが社内ガバナンスに課題があった。指摘を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努めていく」とコメントした。

 経産省によると、同社は6日時点でジェイスタートアップに選定されたままで、担当者は「不正受給が確認されれば、しかるべき対応を取る」としている。

 ものづくり補助金を巡っては、検査院が24年度決算検査報告で、同社を含め5社に交付された計3738万2667円を「不当」と指摘した。【山田豊】

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