オイシックスが6日から販売する「香草オイルで熟成させたアイゴのコンフィ」を使ったアクアパッツア(6日、東京都品川区)

食品宅配サービスを手掛けるオイシックス・ラ・大地は6日、海藻を食べる未利用魚「アイゴ」を使った冷凍加工食品を販売すると発表した。気候変動によるアイゴの大量発生で海藻が減少する問題を抱える広島県福山市から調達する。アイゴを食用として有効活用しつつ、藻場の再生や漁業の安定化につなげる。

オンラインサイトを通じて「香草オイルで熟成させたアイゴのコンフィ」(646円)を販売する。消費者が注文すると半身程度のスライスされたアイゴが冷凍で届く。鮮度が高い状態のアイゴから内臓を取り除き、香草やニンニク、トウガラシを使って独特な臭みを抑えた。好きな野菜を加えてアクアパッツアやパスタにも使えるという。

6日にオイシックスが福山市とアイゴの漁獲と加工に関する連携協定を結んだ。同市の漁業協同組合が漁獲したアイゴの内臓を下処理し、オイシックスが買い取って商品に加工する。

アイゴはひれや内臓の処理に手間がかかることから市場にあまり出回らない「未利用魚」だ。ただ、アイゴは海藻を食べる習性から福山市の近隣海域では海藻が食べ尽くされて砂漠化する「磯焼け」の要因となっている。特産品の養殖のりが被害にあっていたほか、クラゲの大量発生にもつながっていた。

6日に報道陣向けに開いた協定締結式で高島宏平社長は「年間で約10トンのアイゴを仕入れたい。今後はアイゴを使ったミールキットなども開発していく」と話した。

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