
エムスリーが12日発表した2025年4〜9月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比31%増の227億円だった。製薬会社向けの営業支援や医療現場向けのデジタル化支援などの主力サービスが伸びた。M&A(合併・買収)による事業拡大も利益を押し上げた。4〜9月期として最終増益になるのは4年ぶり。
純利益は会社計画(185億円)、市場予想の平均(QUICKコンセンサス、213億円)をいずれも上回った。

売上高にあたる売上収益は37%増の1708億円、営業利益は24%増の359億円だった。セグメント別の利益をみると、製薬向け営業支援を含む「メディカルプラットフォーム」事業が22%増の178億円だった。
海外事業の利益も34%増の89億円と大きく伸びた。フランスや英国などの欧州地域がけん引し、為替の円高による収益目減りの影響を補った。入院生活用品会社エランを前期に連結子会社にしたことに伴い新設した「ペイシェントソリューション」事業では10億円の利益を計上した。
26年3月期通期の業績予想は据え置いた。売上収益は前期比26%増の3600億円、純利益は11%増の450億円を見込む。4〜9月期の純利益は会社予想を超えたが、トランプ米政権の動向がもたらす影響を見極めたいという。
谷村格社長は同日の決算説明会で「米国では我々が強みを持つワクチンの治験(臨床試験)事業に逆風が吹いている」と語った。米政権の政策によってワクチン開発にブレーキがかかり、エムスリーの治験プロジェクトがキャンセルされる事例が発生しているという。
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