リサイクルしたポリカーボネート樹脂を使った成形品

帝人は12日、自動車のヘッドランプなどに使われるポリカーボネート(PC)樹脂を再利用する技術を開発したと発表した。使用済みのプラスチックを溶媒で溶かし、新品のPC樹脂として再生する。2026年度中に商業化し数千トン規模の生産を目指す。

PC樹脂は透明度が高く、衝撃に強い。自動車ランプや電子部品などに使われる。これまで再利用時にはプラスチックを粉砕・洗浄する「マテリアルリサイクル」や、化学的に分解して原料まで戻す「ケミカルリサイクル」などの手法が取られてきた。回収品に混ざっている異物の影響やコストを抑えることが課題だった。

帝人は溶媒で樹脂を溶かして精製し、異物を取り除く「ソルベントベースドリサイクル」と呼ばれる手法を採用した。透明度が高く新品と同等の品質に再生できるほか、再生コストを抑え、二酸化炭素の排出量も減らした。

欧州では新車製造時に廃車由来のプラスチックの使用を義務付けるELV規制案の導入が検討されるなどリサイクル材の需要は高まっている。帝人はリサイクルの品質を高め、需要取り込みをねらう。

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