新潟県の花角英世知事は12日、東京電力ホールディングス(HD)の柏崎刈羽原発が立地する柏崎市の桜井雅浩市長、刈羽村の品田宏夫村長と同市内で会談した。会談では同原発の再稼働に関する立地自治体の考えを聞いた。桜井氏が早期の決断を求めたのに対し、花角氏は「長い時間はかけない」との意向を示した。月内にも再稼働の是非を判断する方向だ。
同日夜、花角氏らが記者団の取材に明らかにした。会談で桜井、品田両氏は再稼働を容認する姿勢を示した。花角氏は記者団に立地自治体の考えは「重要な要素」と指摘する一方、自身の判断については「まさに考えている最中だ」と述べるにとどめた。
柏崎刈羽の再稼働を巡っては、新潟県が実施した県民意識調査で、近隣9市町村のうち4市で「反対」が過半数を占めるなどの結果が示されている。花角氏は同日の定例記者会見で、東電福島第1原発を視察する意向も示しており、これらを総合的に判断し結論を出すとみられる。
花角氏は会談後、東電HDの小早川智明社長らと共に、地元の経済団体や原発反対派の代表者が参加する地域組織の会合にも出席。地元からは「エネルギー政策を考える上で、原発が重要な役割を担い続ける必要がある」との意見が出た一方で「地域の連携が脆弱(ぜいじゃく)な中で一人も取り残さずに避難できるのか」との懸念も示された。
花角氏は「県民の意思を見極めた上でリーダーとして判断する」と説明した。
小早川氏は終了後、会合での意見について「大変重く受け止めている」と述べ、「一日も早い再稼働を目指しているが、地域の皆さまのご理解があってのことだと考えている」と強調した。
会談に臨む新潟県の花角英世知事(中央)、桜井雅浩柏崎市長(右)、品田宏夫刈羽村長=12日午後、新潟県柏崎市
「柏崎刈羽原子力発電所の透明性を確保する地域の会」で説明する新潟県の花角英世知事(中央)=12日午後、新潟県柏崎市
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。