米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが、系列ファンドも含めて江崎グリコ株の保有比率を10%以上に高めたことが22日、分かった。株主総会で自社株買いなど株主価値向上に向けた要求を通すため、グリコへの圧力を強める。

ダルトン系ファンドが関東財務局に出した大量保有報告書で判明した。保有比率の内訳はダルトンが9.08%、ダルトンが英国に設立したニッポン・アクティブ・バリュー・ファンド(NAVF)が0.59%、NAVFの米ファンドが0.59%の計10.27%。

2024年11月末時点ではダルトン単独で7.13%を保有しており、9カ月間で3%を買い増した計算となる。報告書を提出したNAVFは「独立取締役の選任や増配、自社株買いなどの重要提案行為を行う可能性がある」としている。

ダルトンはアクティビスト(物言う株主)として知られる。グリコが3月に開いた定時株主総会では自社株買いや役員の株式報酬拡充など3議案を提起したが、全て否決された。一方で過去にダルトンが提案していた、配当の総額を株主総会でも決められるようにする定款変更議案が、会社提案に転じた上で可決されるなど一定の影響力も示した。

2024年12月期の有価証券報告書によると、グリコの筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行で、比率は11.15%だった。

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