音の響きをよくした残響室などで実験する(13日、岡山市)

伊藤忠商事グループで住宅資材大手のDAIKEN(大阪市)は岡山市内に音響実験棟を設けた。無響室や残響室を備え、吸音や遮音に優れた建材の開発などに生かす。音の伝わり方を建材や工法ごとに測定するほか、オフィスや住居の設計段階でシミュレーションすることで快適な住環境の提案につなげる。

市内の岡山工場の敷地に実験棟「音環境ラボラトリー(音ラボ)」を13日設けた。延べ床面積は926平方メートルで総投資額は約13億円。木材でありながら高い強度を持つ直交集成板(CLT)でつくられた実験室もあり、木造建築で床に衝撃音がどう伝わるかなどを高精度で検証できる。

CLTでつくられた実験室で木造住宅の音の響き方を検証できる(13日、岡山市)

同社は主に戸建て住宅向けに吸音天井材などの防音建材を扱ってきた。着工数の減少を受けて木造集合住宅やオフィス向けの販売を強化する。2024年度に200億円だった音響関連事業の売り上げを35年度に倍増させる計画だ。

他社や大学と連携した研究にも活用する。DAIKENの億田正則社長執行役員CEOは「大学生らに音ラボを使って研究してもらい、それをきっかけに当社に就職してほしい」と述べた。

DAIKENは岡山市内で音ラボのオープニングセレモニーを開いた(13日)

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