高層ビル「35ハドソンヤード」に入る「エクイノックス・ホテル」の入り口(ニューヨーク市)

森トラスト(東京・港)は18日、米ニューヨーク・マンハッタンの複合高層ビル「35ハドソンヤード」の一部の階を5億4000万ドル(約840億円)で取得したと発表した。ニューヨークのホテルやオフィス市況の好調を背景にした米国の不動産投資で収益基盤を広げる。

35ハドソンヤードは2019年に竣工した。地上72階建てにホテルやオフィス、商業店舗などが入る。森トラストは米子会社を通じ、1〜30階の延べ床面積約4万5500平方メートルを取得した。

「35ハドソンヤード」の外観(中央手前、ニューヨーク市)

森トラストが取得した35ハドソンヤードは、高級フィットネスを展開する米エクイノックス社の5つ星ホテルが212室を備える。ニューヨークは観光客の増加でホテルの客室単価が上昇しており、安定した収益を見込めると判断した。

森トラストは16年に米子会社を設立し、米国での不動産投資は12棟目となる。マンハッタンでは23年に主要ターミナル駅直結のオフィスビル「245パーク・アベニュー」の取得や改修に計1000億円を投じた。30年度までの中長期ビジョンで総額1兆2000億円の事業投資をする方針を掲げ、今回の海外投資もその一環となる。

ハドソンヤードはマンハッタンの大型再開発地区で、三井不動産も超高層オフィスビル2棟の開発に総事業費8000億円を投じている。

【関連記事】

  • ・森トラスト社長・伊達美和子さん ホテル開発は温故知新
  • ・森トラスト、タイで分譲住宅開発 海外展開を拡大
  • ・三井不動産、シェアオフィスで海外初拠点 米NYに開設
BUSINESS DAILY by NIKKEI

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。