新潟県の花角英世知事は18日、東京電力ホールディングスの福島第1原子力発電所を初めて視察した。視察後、報道陣の取材に対し「しっかり見させてもらった」と述べた。視察を踏まえ、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働の是非について11月中にも結論を示す。

福島第1原発を視察する花角知事㊧(18日、福島県大熊町)

花角知事は柏崎刈羽原発の再稼働の是非を決めるうえで、福島第1原発事故の検証を判断材料の一つとしている。2023年には原発事故の原因や地域住民の生活への影響などを精査した報告書「3つの検証」を独自にまとめた。今回の視察は「何が起きたのか、今どうなっているのかを肌で確認したい」という知事の思いから実現した。

花角知事は18日午前、東電の小早川智明社長に案内され、廃炉作業を進める福島第1原発の各号機や原発事故の反省や教訓を伝える廃炉資料館(福島県富岡町)などを見学した。

東電の原発運転の安全性を確認するため、14日には7年ぶりに柏崎刈羽原発も視察。「安全対策を講じる努力をしているのはよく分かった。セキュリティーは格段に厳しくなった」と一定の評価を示していた。

柏崎刈羽原発の再稼働に関する県民意識調査は取りまとめが終わった。花角知事は12日に原発が立地する柏崎市と刈羽村と会談。14日には原発から30キロメートル圏内の7市町と意見交換し、市町長の大半が知事の判断を容認する考えを示した。県幹部は「視察も含め判断材料はすべて出そろった。知事の判断はいよいよ近い」と話した。

県関係者らによると、花角知事は11月中にも自身の結論を表明する方向で調整している。12月2〜22日に開かれる県議会の12月定例会で諮る見通しだ。

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