大手空調メーカー「ダイキン工業」淀川製作所(大阪府摂津市)付近の地下水から発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が検出されたことを受け、近隣住民らは18日、同社に継続的な健康調査や汚染対策などを求める公害調停を年内に申請すると発表した。約1000人の申請人を募り、国内でも最大規模のPFASに関する公害調停を目指すとしている。
PFASは1万種類以上とされている有機フッ素化合物の総称。代表物質のPFOAやPFOSは発がん性が指摘され、国際的に製造が規制されている。
同社は2012年までにPFOAの製造、使用を終えたが、工場付近の地下水からは、これまでに国が定めた目標値の400~500倍を超える高濃度のPFASを検出。京都大などが24年に住民やダイキン元従業員らを対象に血液検査を実施し、3割以上の血中から健康被害の可能性が指摘される高濃度のPFASが検出された。
公害調停は専門家などでつくる調停委員会が仲介して、汚染対策や被害補償などについて解決を図る。年内に府公害審査会に申請し、PFAS汚染に関する資料の開示や環境調査、健康調査の実施などを求めていくとしている。
18日に記者会見した住民側弁護団長を務める池田直樹弁護士は、「住民はこの先も安心して地域で生活できるか頭を悩ませており、ダイキンはそうした声に真摯(しんし)に向き合う社会的責務がある。被害を可視化するためにも情報開示や追加調査は必要不可欠で、これからの対策について共に話し合うきっかけにしたい」と述べた。【田中韻】
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