首相官邸に入る高市早苗首相=東京都千代田区で2025年11月19日午前9時26分、和田大典撮影

 政府が21日にも閣議決定する経済対策案の全容が19日、明らかになった。新たな物価高対策として、18歳までの子ども1人当たりに2万円を給付する。2025年度補正予算案の一般会計の歳出規模は17兆円を超え、コロナ禍後の23年度以降では最大となる見通し。ガソリン税の暫定税率廃止など減税効果額を合わせると規模は20兆円を超える。25年度当初の計画より2兆円超上振れする税収では足らず、十数兆円分の国債を追加発行して対応する。

 子供1人当たり2万円の給付措置は、「子育て応援手当」として実施する。所得制限は設けず、児童手当の仕組みを利用して、一時的に上乗せして支給する。予算総額は約4000億円になる。

 地方自治体が自由に使える重点支援地方交付金には2兆円を計上する。このうち食料品の高騰を勘案した特別枠には約4000億円分を確保。「おこめ券」や電子クーポンの発行などを通じて1人当たり3000円相当を利用できるようにする。自治体の水道料金の減免にも対応できるよう検討している。

 電気・ガス代の補助は来年1~3月分で計5000億円程度を計上する。使用量の多い1月分は平均的な家庭で3000円超を補助する。当初は3カ月間で計約6000円だった補助額は、計約7000円まで拡充する。

 物価高で経営が悪化し、人手不足に悩む医療・介護分野には1兆4000億円を用意する。賃上げ支援や病床減のための基金などに生かす。

 予備費は7000億円程度を確保する見込みだ。自然災害の発生や更なる物価高、クマの被害拡大などに備える。

 政府は開会中の臨時国会で、経済対策の裏付けとなる補正予算案の成立を目指す。【加藤結花、妹尾直道、井口彩、野間口陽】

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